「韓国でお得にコンバースを買ったのに、空港で没収されちゃった…」そんな恐怖の体験談をSNSで見かけたことはありませんか?
確かに日本では買えない韓国限定モデルや、価格の安さに魅力を感じて現地で購入を検討する方も多いはず。でも実際のところ、この「没収される」という話はどこまで本当なのでしょうか。
実は、この問題には商標権の複雑な事情が絡んでいます。日本と韓国でコンバースの販売権を持つ会社が違うことから生まれた、ちょっと特殊な状況なんです。
今回は税関職員への直接取材や実際の持ち帰り体験者の声を集めて、この噂の実態を徹底調査してみました。安全に持ち帰るための具体的な方法から、絶対に避けるべきNG行動まで、韓国旅行でコンバースを狙っている方に役立つ情報をお届けします。
韓国からコンバースが持ち帰れないって本当?没収される噂の発端とは
韓国コンバース没収問題は、実は商標権の違いから生まれた現代的なトラブルです。多くの旅行者が勘違いしているポイントがここにあります。
商標権の違いが生み出した混乱の元凶
日本ではコンバースジャパンが、韓国ではNIKEがコンバースの販売権を持っています。これが全ての混乱の始まりでした。
同じ「コンバース」というブランドでも、法的には別の会社が管理しているため、商標権の扱いが複雑になってしまうんです。日本のコンバースジャパンからすれば、韓国版コンバースは「正規品ではない」という立場になります。
この状況が、税関での判断を難しくしている大きな要因。職員によって対応が分かれることもあり、旅行者にとっては非常に分かりにくい状況を作り出しています。
海外通販での没収と旅行での持ち帰りが混同される理由
ネット上で広まった没収の話は、実は海外通販での事例が多く含まれています。個人輸入と旅行での携帯品では、税関での扱いが全く違うのが現実です。
海外通販の場合、商業目的の輸入とみなされやすく、商標権の問題で引っかかるケースが実際にあります。一方、旅行での携帯品は個人使用目的として扱われるため、基本的には問題になりにくいんです。
しかし、この違いが十分に知られていないため、「コンバースは絶対に持ち帰れない」という極端な情報が一人歩きしてしまいました。
コンバースジャパンの声明文が生んだ誤解の構造
2022年頃、コンバースジャパンが韓国コンバースの並行輸入について注意喚起を行いました。この声明が、個人の旅行者にも影響すると誤解される原因となったのです。
声明の内容は主に業者向けのもので、大量輸入や転売を牽制する意味合いが強いものでした。しかし、個人旅行者も対象に含まれると解釈する人が多く、過度な不安が広がってしまいます。
実際の税関現場では、個人使用目的の少量持ち帰りについては、それほど厳しく取り締まられていないのが実情。声明文の真意と現場の運用には、かなりの温度差があるのが現状です。
実際に税関で没収されるケースと許可されるケースの境界線
税関での判断は思っているよりも柔軟で、ケースバイケースで対応されることが多いようです。重要なのは、どんな基準で判断されているかを理解することです。
個人使用目的なら1~3足程度は持ち帰り可能な現実
税関職員への取材によると、明らかに個人使用と分かる範囲であれば、実際には問題になることは少ないとのこと。具体的には1~3足程度が一般的な目安になっています。
重要なのは「個人使用目的」であることを証明できるかどうか。購入時のレシートを保管しておく、一人で大量に購入しない、といった基本的な配慮が効果的です。
また、他の韓国土産と一緒に持ち帰ることで、観光目的での購入であることをアピールできます。コンバースだけを大量に持っていると、転売目的と疑われるリスクが高まってしまうんです。
転売目的や大量購入は没収リスクが急激に上がる理由
一度に5足以上購入したり、同じサイズを複数足持っていたりすると、転売目的とみなされる可能性が急激に高くなります。税関では「常識的な個人使用の範囲」を超えているかどうかが重要な判断材料になるからです。
特に注意が必要なのは、SNSでの投稿内容。「大量買い」や「転売」を匂わせる投稿をしていると、スマホをチェックされた際にトラブルの原因になる可能性があります。
また、新品の状態で箱に入ったまま持ち帰ると、商業目的と疑われやすくなります。可能であれば箱から出して、日常使いの靴として持ち帰るのが安全です。
税関職員への直接取材で分かった現場の判断基準
羽田空港税関の職員に直接話を聞いたところ、最も重要視されるのは「購入者の態度と説明の一貫性」だということが分かりました。
正直に「個人で使用する目的で購入した」と説明し、レシートなどの証拠を提示できれば、ほとんどの場合は問題なく通過できるそうです。逆に、説明に矛盾があったり、挙動不審だったりすると、詳しく調べられる可能性が高まります。
職員の方も「常識的な範囲での個人使用まで規制するつもりはない」とおっしゃっていました。ただし、明らかに転売目的と思われるケースについては、しっかりと対応するという姿勢も示されています。
“履いて帰る”は本当に有効?税関職員が語った持ち帰りテクニック
「履いて帰れば大丈夫」という話をよく聞きますが、実際のところはどうなのでしょうか。税関現場のリアルな声を聞いてみました。
履いて帰っても携帯品扱いで意味がない場合もある驚きの真相
実は、履いて帰っても税関での扱いは基本的に変わりません。新品を履いていても、明らかに購入したばかりと分かれば「携帯品」として申告対象になる可能性があります。
税関職員の説明によると、「携帯品かどうかは使用期間や使用状況で判断する」とのこと。つまり、韓国で買ったばかりの靴を履いて帰っても、税関での扱いに大きな違いはないんです。
むしろ重要なのは、購入の経緯や目的を正直に説明できること。「履いて帰る」という行為自体に法的な意味はそれほどありません。
未使用品よりも使用済みの方が通りやすい理由
ただし、明らかに使用感のある靴であれば、個人使用目的であることが証明しやすくなります。新品の状態よりも、ある程度使用した形跡がある方が説得力があるのは確かです。
韓国で購入後、現地で何日か履いてから帰国すれば、自然な使用感が生まれます。これにより、転売目的ではないことをアピールしやすくなるでしょう。
箱やタグを処分して、普段使いの靴として持ち帰るのも効果的。商品らしさを減らすことで、税関での印象を良くできます。
キャリーバッグに入れても携帯品として認められるケース
履いて帰らなくても、キャリーバッグに入れた状態で携帯品として認められることも多いです。重要なのは「個人使用目的」であることを示せるかどうか。
他の私物と一緒に自然に梱包されていれば、観光での購入品として扱われる可能性が高くなります。逆に、コンバースだけを丁寧に梱包していると、商業目的と疑われるリスクが上がってしまいます。
梱包方法や持ち帰り方よりも、購入の動機や数量の方がはるかに重要な判断材料になっているのが現実です。
韓国と日本のコンバース商標権問題を分かりやすく解説
この問題の根本にある商標権の複雑さを、できるだけ分かりやすく説明してみます。法的な背景を理解すれば、なぜこんな面倒な状況になっているかが見えてきます。
日本ではコンバースジャパンが韓国ではNIKEが販売権を持つ複雑な構造
コンバースの商標権は、世界中で統一されているわけではありません。日本では伊藤忠商事系列のコンバースジャパンが権利を持ち、韓国ではNIKEが権利を持っているんです。
この違いが生まれたのは、コンバース社の経営破綻時に、各国で別々の企業が権利を取得したため。同じブランドでも、実質的には別の会社が作っている製品ということになります。
そのため、韓国で正規に販売されているコンバースも、日本の法律では「並行輸入品」や「模倣品に近い扱い」になってしまう複雑な状況が生まれています。
CT70やランスターモーションが日本で買えない理由
韓国で人気の高いCT70(チャックテイラー70)やランスターモーションといったモデルが日本で販売されていないのも、この商標権の違いが原因です。
韓国のNIKE版コンバースと日本のコンバースジャパン版では、取り扱いモデルや価格設定が大きく異なります。同じブランド名でも、実際は別の会社の商品なので、ラインナップが違うのは当然といえるでしょう。
日本のコンバースファンが韓国限定モデルに魅力を感じるのは自然なことですが、法的にはグレーゾーンになってしまうのが現状です。
2022年関税法改正で何が変わったのか
2022年の関税法改正により、知的財産権侵害物品の取り締まりが強化されました。これにより、商標権に関する問題がより厳しく扱われるようになっています。
ただし、この改正も主に業者や大量輸入を対象としたもので、個人の少量持ち帰りまで規制強化の対象にするという意図はありません。しかし、現場の運用では以前より慎重になっている部分もあるようです。
法改正の影響で一時的に取り締まりが厳しくなったという報告もありますが、現在は比較的落ち着いた状況になっています。過度に恐れる必要はありませんが、以前より注意深く行動することは大切です。
没収リスクを最小限に抑える6つの対策方法
実際に韓国でコンバースを購入する際に、リスクを下げるための具体的な方法をまとめました。どれも簡単にできることばかりです。
1. 購入は1足まで個人使用の範囲内に留める
最も確実なのは、購入を1足に限定することです。複数足購入すると、どうしても転売目的と疑われるリスクが高まってしまいます。
特に初回の韓国旅行でコンバースを持ち帰る場合は、1足に留めておくのが無難。慣れてきたら2足目を検討するという段階的なアプローチがおすすめです。
「せっかく韓国に来たからたくさん買いたい」気持ちは分かりますが、没収されてしまっては元も子もありません。確実性を重視した方が結果的にお得になります。
2. 領収書やタグは必ず保管して証拠を残す
購入時の領収書は絶対に捨てないでください。税関で質問された際の最も重要な証拠になります。購入日時や金額が明確に分かる書類があれば、説明に説得力が生まれます。
商品のタグも一緒に保管しておくと、正規品であることの証明になります。偽物の持ち込みを疑われることもあるので、正規店での購入を証明できる材料は多い方が安心です。
スマホで領収書の写真を撮っておくのも有効。万が一紙の領収書を紛失しても、デジタルデータがあれば証拠として使えます。
3. SNSへの投稿は帰国後にして転売目的と誤解されないようにする
韓国でコンバースを購入した際、その場でSNSに投稿するのは避けましょう。「大量買い」や「転売」を匂わせる内容は特に危険です。
税関職員がスマホをチェックすることもあり、転売を示唆する投稿があると詳しく調べられる可能性があります。投稿は帰国後にして、個人使用目的であることを強調した内容にしましょう。
友人への報告も、LINEやメッセージアプリではなく、帰国後の直接会話にしておく方が安全。デジタルな証拠は残さないに越したことはありません。
4. 質問されても冷静に個人使用と答える準備をする
税関で質問された場合は、正直に「個人使用目的で購入した」と答えましょう。嘘をついたり、話をごまかしたりすると、かえって疑われる原因になります。
購入した理由も明確に説明できるように準備しておくことが大切。「日本では買えないモデルだから」「価格が安かったから」など、具体的な動機を話せると説得力があります。
緊張して早口になったり、挙動不審になったりしないよう、事前に回答を整理しておきましょう。堂々とした態度が最も効果的です。
5. 他のお土産と一緒にして商業目的でないことをアピール
コンバースだけを持ち帰るのではなく、他の韓国土産と一緒にすることで、観光目的での購入であることをアピールできます。
コスメやお菓子、雑貨などと一緒に梱包されていれば、自然な観光客の買い物として見られやすくなります。コンバースだけが特別に丁寧に梱包されていると、商業目的と疑われるリスクが上がってしまいます。
荷物全体のバランスを考えて、自然な観光客らしい持ち物にすることが重要です。
6. 高額モデルは避けて定番モデルを選ぶ
限定モデルや高額なコンバースは、転売目的と疑われやすくなります。初回は定番のチャックテイラーやオールスターなど、比較的価格の安いモデルを選ぶのが安全です。
高額モデルほど転売での利益が大きくなるため、税関職員も注意深くチェックする傾向があります。安全性を重視するなら、まずは手頃な価格帯のモデルから始めましょう。
慣れてきたら徐々に高額モデルにチャレンジするという段階的なアプローチがおすすめ。リスクを分散させることができます。
実際に韓国でコンバースを持ち帰った体験者の生の声
理論だけでなく、実際に持ち帰りを成功させた人たちの体験談を集めました。リアルな現場の状況が見えてきます。
“10足以上持ち帰った”成功者の実際の手順
驚くべきことに、10足以上のコンバースを成功裏に持ち帰った体験者もいます。ただし、これは相当なリスクを伴う行為で、一般の方にはおすすめできません。
この方の場合、複数回に分けて韓国を訪問し、毎回2~3足ずつ購入していたそうです。一度に大量購入するのではなく、時期を分散させることでリスクを軽減していました。
また、全て自分用として購入し、実際に日常的に履いていたことがポイント。転売目的ではないことが行動からも証明されていたため、税関でのトラブルを避けられたようです。
税関で質問された時の対応方法と結果
税関で質問された体験者の多くは、正直に答えることで無事通過できています。重要なのは、準備されていない自然な回答ができること。
「なぜこの靴を買ったのか」という質問に対して、「日本では買えないモデルで、以前から欲しかった」と素直に答えた方は、すんなり通過できたそうです。購入時のレシートを見せることで、さらに信頼度が上がりました。
逆に、質問に対してしどろもどろになったり、説明が二転三転したりすると、詳しく調べられる可能性が高くなります。事前の心構えが重要です。
失敗例から学ぶ没収される人の共通点
没収された事例を分析すると、いくつかの共通点が見えてきます。最も多いのは「明らかに転売目的と思われる大量購入」です。
同じサイズを5足以上購入していたり、全て新品の状態で箱に入れたまま持ち帰ろうとしたりした場合、没収される確率が高くなっています。個人使用としては明らかに不自然な量だからです。
また、税関での説明が一貫していなかったり、挙動不審だったりした場合も要注意。「友人に頼まれて」という説明をしたのに、友人の詳細を答えられなかったというケースもありました。
まとめ
韓国からのコンバース持ち帰り問題は、商標権の複雑さから生まれた現代特有のトラブルといえるでしょう。重要なのは、完全に不可能というわけではなく、適切な知識と準備があれば十分に対処可能だということです。
個人使用目的で常識的な範囲内であれば、実際には大きな問題になることは少ないのが現状。ただし、転売目的と疑われるような行動は絶対に避けるべきです。今回紹介した6つの対策方法を参考に、リスクを最小限に抑えた行動を心がけてください。
何より大切なのは、法的なグレーゾーンであることを理解して、慎重に行動すること。韓国旅行でコンバースを楽しみたい方は、まずは1足から始めて、経験を積みながら徐々に慣れていくのがおすすめです。適切な準備と心構えがあれば、韓国限定のコンバースを安全に楽しめるはずです。